吹田市の大光寺は浄土真宗本願寺派の寺院で、天文8年(1539年)に創建されたと伝わる。境内の太子館は、聖徳太子を顕彰するために昭和13年(1938年)に建設された2階建ての仏堂である。


外観は、1階がモルタル掻き落としの大壁で千鳥破風様の庇(ひさし)を持ち、2階は真壁造で左右対称の花燈窓、舟肘木(ふなひじき)が軒桁を支える構造である。大壁とは柱が露出していない壁で、主に欧米など西洋の建築に見られる。それに対して真壁造りは柱が露出する壁で、日本の在来工法に見られる。
内部は、1階に土間玄関、応接間、集会場があり、2階には礼堂と仏壇が設けられ、聖徳太子像や関連絵画が飾られている。(内部は通常非公開)


構造や意匠には、伝統的な技法に加え、先進的な西洋建築の手法も取り入れられており、当時の近代和風建築の普及を示す貴重な建築物である。1階に西洋風デザイン、2階に和風デザインが比較的小規模なボリュームの建物に採り入れられ融合している貴重な仏堂建築として国登録有形文化財に指定されている。 時を超えて佇む、日本の伝統美と新しい西洋デザイン、そして信仰が融合した、貴重な仏堂建築を体感してほしい。(かの)


- 大光寺太子館
- 住所:大阪府吹田市岸部中5-10-10
- アクセス:JR岸辺駅より徒歩5分(500m)
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