日本で一番「迷い子」になる地下街はどこか?とネット上で話題にもなる大阪の梅田地下街。 地元民でさえも迷子になってしまう。梅田ダンジョンとは、大阪駅周辺に広がる地下街が複雑に入り組んだ、まるで迷宮のような地下空間である。大阪の中心地である梅田には多くの鉄道駅が集まっており、それに応じて地下街や商業施設も複雑に連結している。


梅田の地下街は1963年に誕生し、その後の度重なる拡張により、複雑に入り組んだ迷路のような構造となった。大阪駅や阪急梅田駅周辺には段差が多いのも特徴である。これは、かつて湿地帯であり、埋め立てられたという梅田の脆弱な地盤が原因の一つだ。「埋め田」が地名の由来という説もあるほど、豊臣秀吉の時代に田として埋め立てられた弱い地盤であり、その後の地下水の過剰な汲み上げによる地盤沈下も、場所によって地盤の高さが異なる要因となり、スロープや階段の増加につながっている。


梅田ダンジョンは、東京駅や新宿駅、名古屋の地下街と比べて規模は小さいながらも、初めて訪れる人は必ず、そして何度訪れても迷ってしまうほど複雑な構造を持つ。その理由は、地下通路が全体的に斜めであること、交差点が直角ではなくカーブしているため方向感覚を失いやすいこと、行き止まりが多く目印が少ないことなどが挙げられる。加えて、各施設が独自の案内標識を使用しているため、統一感がなく、さらに迷いやすさを助長している。東京や名古屋の地下街の方が面積や店舗数は多いとされるが、梅田ダンジョンは他に類を見ない構造で人々を迷宮へと誘い込むのだ。


梅田ダンジョンは複雑に入り組んでおり、決定的な対策は存在しない。この状況は、関西人の「しゃーないやろ」という寛容さ、あるいは面倒くさがりな一面の表れとも言えるだろう。地元のテレビ局では、この迷宮のような状況を逆手に取り、お笑い芸人が大阪駅で迷う人を案内するという番組まで放送されている。(kano)
- 住所:大阪府大阪市北区梅田3丁目 周辺
- アクセス:阪急梅田駅、JR大阪駅