大阪ガスビルは、国登録有形文化財にも指定されている、昭和初期の傑出した近代建築だ。1933年(昭和8年)に竣工したこのビルは、当時の最先端技術であった鉄骨鉄筋コンクリート構造および鉄筋コンクリート構造で建てられた。当時、大阪で最もモダンで美しい建物として称賛されたという。
建築様式はアール・デコ様式を取り入れており、そのデザインは当時の最高水準を誇っていた。外装と内装には、国内外から厳選された最高品質の材料がふんだんに用いられている。


1階と2階の外壁には福島県勿来産の黒御影石(花崗岩)と茨城県稲田産の白御影石が貼られ、その上部には白色のタイルが貼られている。窓枠には、当時としてはまだ珍しかったドイツから輸入されたステンレススチールが使用されており、細部にわたるこだわりが見て取れる。
また、エレベーターホールの一部(4階から地下1階)では、壁にイタリア産のトラバーチン(大理石)が、床には沖縄県産のトラバーチンが敷き詰められており、贅を尽くした内装が施されている。


大阪ガスビルは、御堂筋と平野町通交差点にあり、大阪ガス本社社屋として使用され続ける一方、竣工当時の1933年(昭和8年)の面影を現在も色濃く残しており、昭和モダンを代表する歴史的建造物として、その価値を保ち続けている。(かの)
- 大阪ガスビル
- 住所:大阪市中央区平野町4-1-2
- アクセス:地下鉄御堂筋線「淀屋橋駅」すぐ
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