かつて栄えた弁天埠頭のフェリーターミナルビルは、今でも廃墟のような怪しげな雰囲気ではあるが確かに存在していた。古びたガラス扉を開くと中は薄暗く、何年も放置されている感じで、廃材のようなものが無造作に置かれている。ターミナルが閉鎖されて30年経つが、今も「加藤汽船のりば」の看板や当時ビルに入っていた飲食店街の案内板が色あせた姿で残されていた。廊下の両側には、現在も使われているらしい社名の入った扉が目についたが人の気配はなかった。ここはどうやら廃墟のようなテイストを好むフォトグラファーやデザイナーがスタジオやアトリエとして使っているらしい。ビルの裏側は海に面していて、元々はフェリーの船着き場だったが、裏の扉を開いて外に出ても、今は安全のためか鉄の塀で塞がれていて海は見えない。それでも建物自体は昔のままで、目を閉じると多くの人々で賑わったフェリーターミナルの姿やざわめきが一瞬甦った。 いつ取り壊されるかもしれない、廃墟趣味のレンタルオフィスに好感を抱いた。※これは2025年1月現在の情報です。(G.I)
- 住所:大阪市港区弁天6-7-15
- アクセス:JR弁天町駅から徒歩約13分
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