美と技を愛でるレトロ建築

森田ビルディング 黒御影石による重厚さと美しさが際立つオフィス建築

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美と技を愛でるレトロ建築

森田ビルディング 黒御影石による重厚さと美しさが際立つオフィス建築

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大阪・備後町エリアに建つ森田ビルディングは、建築家・村野藤吾の設計により1962年(昭和37年)に竣工したオフィスビル。祖父が創業した森田紡績株式会社の大阪営業所を兼ねたテナントビルとして建てられ、当時の企業建築らしい品格と実用性を併せ持つ建物だ。

竣工から半世紀以上を経た現在も、外観や構造の美しさは良好に保たれている。歴史的な意匠を尊重しつつ、最新の機能や防犯・安全設備を段階的に導入し、現代のオフィスニーズにも対応している点がこのビルの大きな特徴である。伝統と更新を両立させながら、テナントに快適な執務環境を提供し続けている。

外観でまず目を引くのは、全面に用いられた黒御影石である。深みのある黒色の石張りが建物全体に重厚感を与え、船場の金融街にふさわしい落ち着いた風格を漂わせている。装飾に頼りすぎず、素材そのものの質感で品格を表現する手法は、村野建築らしい洗練を感じさせる部分だ。

南側に設けられた表玄関のエントランスも見どころの一つ。6面のワイドガラスを採用することで外光を豊かに取り込み、石張りの重厚な外観とは対照的に、内部には明るく開放的な印象を生み出している。また、壁面には大理石が用いられ、ゆとりのある空間構成と相まって、来訪者に上質な第一印象を与えている。

森田ビルディングは、1960年代の大阪における質実なオフィス建築の魅力を今に伝える存在。黒御影石の落ち着いた外観と、更新を重ねながら使い続けられてきた建物の歴史が、街並みに静かな深みを添えている。※2026年1月時点の情報です。(かの)

住所:大阪市中央区備後町2-4-6
アクセス:OsakaMetro堺筋線 「堺筋本町」駅より徒歩約3分
https://www.morita-bldg.co.jp/

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