芝川ビルは昭和2年建築、まもなく100年を迎える独創的なレトロビルで、国の登録有形文化財だ。
芝川家6代目当主・又四郎により建てられた芝川ビルは、鉄筋コンクリート造地上4階地下1階という構造で、。古代中南米文明のモチーフを思わせるストーン装飾が随所に施され、大阪を代表するモダン建築のひとつとされている。


当初は自家事業用事務所として使われていたが、余裕のあるスペースを活用し花嫁学校「芝蘭社家政学園」を開校した。戦災を免れた後は事務所中心のテナントビルとして使用されていたが、2005年から建物の魅力を活かした活用に舵を切り、現在、地下〜3階にはセレクトショップや飲食店などが入り、4階は屋上テラス付きレンタルスペース「芝川ビル モダンテラス」として様々な用途に利用されている。


重厚な外観と装飾はオフィス街でもひときわ目を引き、建築ファンや観光客から高い評価を得ており、大阪市の「生きた建築ミュージアム・大阪セレクション」にも選出されている。
芝川ビルは、単に古い建物というわけではない。時を重ねながら、大阪の歴史と文化を体現しつつ、新たな価値を見出し続ける存在である。建築や歴史、街歩きに興味があるなら、その趣ある佇まいと息づかいを感じてみてほしい。(かの)
- 芝川ビル
- 住所:大阪市中央区伏見町3-3-3
- アクセス:地下鉄御堂筋線「淀屋橋」駅11番出口より徒歩すぐ
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