道頓堀川の日本橋北詰から東へ少し歩くと法案寺がある。創建は平安時代末期に遡り、かつては現在の法円坂付近に広大な寺域を持ち、四天王寺と並ぶ上町台地の二大寺院として知られていた。法円坂という地名も、法案寺の法案が転じたものと言われている。法案寺は天正年間(1573年 – 1592年)に起こった石山合戦に巻き込まれ、生玉神社と共に焼失した。その後、豊臣秀吉が大坂城を築城する際、法案寺は法円坂から馬場崎(現在の天王寺区生玉町、生国魂神社境内地の北側)へと生玉神社と共に移転させられた。


慶長20年(1615年)の大坂夏の陣で再び兵火により生玉神社と共に焼失したが、1879年(明治12年)に現在の大阪市中央区島之内に寺基を移し、1883年(明治16年)6月に法案寺南坊として復興した。
法案寺の本堂には、本尊の聖観音菩薩が安置されている。現在は扉が閉ざされているが、中には平安時代に作られたとされる優美な観音様が祀られている。この観音様は国指定の重要文化財であり、ぜひとも拝観したい。


また、隣の弁天堂には大阪七福神巡りの一つである弁財天が祀られている。商売繁盛、金運アップ、恋愛成就の利益があるという。皆さんも法案寺へ訪れてみてはいかがだろうか。(kano)
- 法案寺南房
- 住所:大阪府大阪市中央区島之内2-10-14
- アクセス:Osaka Metro堺筋線「日本橋駅」より徒歩5分
投稿されたコメント
投稿フォーム