大阪の地下街なんばウォークにひっそりと佇む喫茶 nelは、かつて1923年(大正12年)に創業された老舗喫茶「ボナール」の系譜を受け継ぐ一軒である。大阪で二番目に古い喫茶店とされていたその店の歴史を、スタッフが引き継ぐかたちで守り続けており、空間には長い時間の積み重ねがそのまま息づいている。

店内は細長い造りで、席数は十数席ほど。決して広くはないが、その分だけ客と空間の距離が近く、落ち着いた空気が流れる。年季の入った内装や調度には、昭和の喫茶文化を思わせる趣が色濃く残り、訪れる者にどこか懐かしさを感じさせる。


提供されるコーヒーは、近年値上げがあったとはいえ、それでも一杯350円という手頃な価格に抑えられている。気軽に立ち寄り、ゆっくりと時間を過ごすことができる点は、この店の大きな魅力である。また、終日喫煙が可能という点も含め、現代では少なくなった、昔ながらの喫茶店の面影を強く宿している。

流行や効率とは距離を置き、変わらぬスタイルを貫くその姿勢は、単なる飲食店を超えた文化の継承とも言える。喫茶 nelは、大阪の喫茶史の一端を今に伝える“生きた記憶”として、静かに営業を続けている。※2026年4月時点の情報です。(かの)
- 住所:大阪市中央区千日前1 なんばウォーク三番街
- アクセス:OsakaMetro・千日前線「日本橋」駅から徒歩約2分
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