静かな通りを歩いていたら、ふと、派手な壁画に囲まれた筋を発見した。そこを歩いて行くと、昔ながらのコイン式ガチャガチャがあるお店に出会った。しかも“レトロガチャおとこのこ”“レトロガチャおんなのこ”っていうネーミング。中身は見えへんのに、めっちゃ気になる。「なぁ、これやってみよ?」ってつい言いたくなるような、そんな遊び心あるたたずまいが、足をピタッと止めさせる。扉を開けて中に入った瞬間、空気がふっとやわらかくなった。懐かしい香り、昔の家で嗅いだような空気が漂ってくる。棚には、昭和レトロな日用品、カラフルな収納棚、ちょっととぼけた顔の置き物や雑貨たちがぎっしり。服や小物も一つひとつ表情があって、店内全体が“宝探し”のようなワクワク感に満ちてる。ここに並ぶアイテムは、どれもその時代をそっと語ってるみたいや。手に取ったマッチ棒には、かつてよく行っていたホテルの名前が。「あれ?ここ、行ったことあるかも…」と、ぼんやりしていた記憶がぱちっとつながってくる感覚。モノって不思議やね。ただの雑貨やのに、その場にいたときの音や光、空気までも思い出してしまう。「70年代の万博グッズとかあるんかな〜」と探してみたら、ほんまにあったんよ。思わず、「うわ、懐かしっ」て声出た。行った記憶なんて曖昧やったのに、そのグッズを見た瞬間に、あの時の色や空気、景色まで一気によみがえってきた。時間って一方向にしか流れへんはずやのに、この場所にいると、ふと逆流してくる気がする。なんやろな、心がやさしく揺れる感じ。店長さんはめちゃくちゃ気さくな人で、おしゃべりがとにかく楽しい。お店にあるモノは、全部店長さんがコツコツ集めてきはったんやって。モノの後ろに物語があるって、やっぱり強い。ここは、ただの雑貨屋さんやない。日常のなかにふと現れる、時間旅行のできる小さな世界。「ちょっと現実から離れたいな」と思ったとき、「あの頃の自分に会いたいな」と感じたとき。そんなときにぜひ訪れてほしい。greenpepeには、小さな雑貨と、心がふっとほどけるやさしい時間が、静かに待ってくれているはずやで。(ne)
- 住所:大阪市北区中崎3-1-12
- アクセス:OsakaMetro谷町線「中崎町」駅から徒歩約2分