大阪・北浜に建つルポンドシエルビル(旧・大林組本店)は、昭和初期のオフィス建築の完成度を今に伝える名建築である。現在はフランス料理店「ルポンドシエル」として親しまれているが、もとは日本を代表するゼネコン・大林組の本社ビルとして建てられた。


竣工は1926年(大正15年)。大阪が商業都市として成熟期を迎えていた時代に、自社の技術力と企業格を示す本社建築として計画された。当時の最新技術と意匠感覚がバランスよくまとめられたこの建物は、戦災や都市の更新を乗り越え、外観・内部ともに良好な状態で残っている。この点は非常に価値が高く、大阪都市景観建築賞の特別賞を受賞、さらに「生きた建築ミュージアム・大阪セレクション」に選定されている。


外観は、端正で重厚なスクラッチタイルのファサードが印象的だ。過度な装飾に頼らず、柱型のリズムや開口部の整った構成で、昭和初期らしい“静かな威厳”を感じさせるデザインに。北浜の金融建築群の中にあっても、決して見劣りしない。

ルポンドシエルビルは、実に完成度の高い近代建築。大企業の本社としての威厳と、現在のレストランとしての華やかさが無理なく同居している点も興味深い。北浜を歩くならぜひ味わいたい、大阪近代建築の重要な一棟なのである。※2026年1月時点の情報です。(かの)
- 住所:大阪市中央区北浜東6-9
- アクセス:OsakaMetro堺筋線「北浜」駅・京阪電鉄「北浜」駅から徒歩約10分
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