オーガニックビル ユニークな外観に隠された、調和を意識したレトロ建築

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オーガニックビル ユニークな外観に隠された、調和を意識したレトロ建築

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大阪市中央区南船場に位置するオーガニックビルは、そのユニークな外観と建築思想により、大阪の街並みにおいて異彩を放つランドマーク的な存在である。オーガニックビルは、1993年に小倉屋山本本社ビルとして竣工した。老舗昆布商の小倉屋山本は1848年(江戸時代・嘉永元年)創業だ。ビルは地上9階、地下1階の鉄骨鉄筋コンクリート構造。

このビルの設計が目指したのは、無機質な都市空間の中で、生命感と有機的な美しさを持つ建築を実現することであった。『自然と健康』の企業理念から、緑と建物と人間の共存をコンセプトとしている「オーガニック」という名の通り、自然との調和や、生きているかのような建物を意図して創造されたのである。

このビルの最大の特徴は、何といってもそのファサード(正面外観)にある。外壁には、植物を植えた多数の鉢植えが格子状に組み込まれており、建物全体を覆うように配置されている。これは単なる飾りではなく、植物の成長とともにビルの表情が変化し、まるで生きているかのように見えるという「成長する建築」というコンセプトを具現化したものである。全体的なフォルムも、直線的でなく、有機的で柔らかな印象を与える。これは、周辺環境との調和を図りながら、強い個性を放つデザインとなっている。

この独創的で革新的なデザインは、当時の建築界に大きなインパクトを与え、先進的なデザインと建築思想が高く評価され、1994年度グッドデザイン賞(建築・環境デザイン部門)受賞となった。公益財団法人日本デザイン振興会が主催するこの賞は、日本の優れたデザインに贈られるもので、オーガニックビルのデザインが社会的な意義を持つものとして認められた証である。

オーガニックビルは、ただのオフィスビルとしてだけでなく、都市における自然と建築の新しい関係性を提示した、実験的な建築作品として重要な価値を持っているのである。※2026年1月時点の情報です。(かの)

住所:大阪市中央区南船場4-7-21
アクセス:OsakaMetro御堂筋線心斎橋駅徒歩約5分/OsakaMetro中央線本町駅徒歩約6分

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