適塾(てきじゅく/正式名称「適々斎塾」)は、江戸時代後期、緒方洪庵(1810〜1863年)が1838年(天保9年)に大阪・船場で開いた蘭学(オランダ学)塾である。その名は洪庵の号「適々斎」に由来するという。


医学をはじめ、天文学・化学・物理など西洋科学全般をオランダ語の文献で学ぶ場だった。
現存する塾舎は江戸時代の1845年に洪庵が購入・改修した町家で、現在は国の史跡かつ重要文化財として保存されている。
ここで橋本左内・大村益次郎・福沢諭吉らも学んだ。
建物は表屋造の町家で、1階が教室、2階が塾生室というつくりになっている。柱に学生が刻んだ剣の跡も残されている。



適塾は後に大阪府立医科大学、さらに現在の大阪大学へと発展していく。
大阪のオフィス街にひっそりと残る、江戸時代の蘭学塾跡の建物という貴重な歴史遺構では、古い町家建築と学びの場をリアルに体験でき、当時の雰囲気を感じられる。


歴史や建築好きな方はぜひ立ち寄ってみてほしい。20分ほどで内部および庭園を巡ることができる。(かの)
- 適塾
- 住所:大阪市中央区北浜3‑3‑8
- アクセス:Osaka Metro 御堂筋線・京阪電車 淀屋橋/北浜駅から徒歩3~5分
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