中崎町駅から歩いて5分ほど。路地を一本曲がったその先で、ふと目に飛び込んできたのは、小さな女の子のマネキン。まだ幼いのに、大人びた服を着こなしてて、「私も早く大人になりたいねん」って言っているような、どこか背伸びした雰囲気。思わず足が止まり、そのまま吸い寄せられるように入ったのが「路地裏食堂マチュナガ」やった。エメラルドグリーンの外壁には、昭和レトロな人物画が。街の風景にポンと差し込まれるような存在感があって、すでに店の外観からワクワクが止まらへん。扉を開けると、期待は裏切らへん。昭和のドラマに出てきそうな家具や、味のある照明、ちょっと懐かしい食器たち。「あれ、これ家にあったかも」って思えるモノがあちこちにあって、でもどれもセンスよく並べられている。“古い”じゃなくて、“時間を味方につけた可愛さ”。この空間にいるだけで、なんだか嬉しくなってくる。店主さんがひとりで切り盛りしているこのお店で、いただいたのはタコライス。しっかり味が染みたお肉と、優しい味のサルサソースが絶妙に絡み合って、ボリュームもちょうどいい。どこか芯のある味わいで、食べ終わるころには思わず「ごちそうさまでした」って声に出していた。伝えたくなるおいしさ、ってこういうことなんかもな。ランチタイムはお客さんが入れ替わりで入ってくるから、長居する空間ではないかもしれへんけど、不思議と落ち着く。一人でもふらっと来れて、静かに過ごせる居心地の良さがある。ちなみに夜営業もされているらしくて、今度はあのレトロ空間が灯りに包まれる時間に行ってみたい。昼とはまた違う表情を見せてくれる気がして、ふと立ち寄ってみたくなる。中崎町の小さな路地裏で出会った、背伸びマネキンと懐かしい空間。あの日の“ふとした寄り道”が、ちょっと特別な思い出になる。そんな場所行ってみいひん?(ne)
- 住所:大阪市北区中崎西1-9-22
- アクセス:OsakaMetro谷町線「中崎町」駅から徒歩約10分