職種の垣根を越えて、先祖代々同じ商売を守り継ぐ「大阪老舗」

千成屋珈琲 一杯の黄金。大阪ソウルドリンク「ミックスジュース」発祥の物語

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職種の垣根を越えて、先祖代々同じ商売を守り継ぐ「大阪老舗」

千成屋珈琲 一杯の黄金。大阪ソウルドリンク「ミックスジュース」発祥の物語

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大阪・新世界の活気あふれるジャンジャン横丁。その喧騒と対比するように、静かな時の流れを感じさせる純喫茶、「千成屋珈琲」がその存在感を放つ。前身の創業以来70年以上の歴史を刻む同店は、日本の喫茶店文化を語る上で欠かせない「ミックスジュース」発祥の店として知られる。

喫茶店メニューの代名詞とも言えるミックスジュースだが同店が元祖。
創業当時の写真。冷蔵ケースにはミックスジュース用の果物が。
店の外観。メニューサンプルが目を引く。

前身は昭和23年(1948年)創業の果物店。初代店主は、完熟しすぎて売り物にならない果物をどうにかできないものかと考え、独自の配合でミキサーにかけることを発案。りんご・バナナ・黄桃・白桃・みかんの果実をまるごと使い、牛乳と氷をミックスした。特にりんごを皮ごとミキサーにかける製法は、果物店の知識を知り尽くした初代だからこそ辿り着けたこだわりと言えるだろう。こうして誕生した濃厚な味わいの一杯こそが、昭和の喫茶店といえば誰もが思い浮かべるミックスジュースのはじまりであり、唯一無二の大阪ソウルドリンクとなったのだ。

昭和35年(1960年)に本格的な喫茶店となり、以来、新世界を代表する店として愛され続けたものの、2016年に一度、廃業の危機を迎える。

この時、「この味を残したい。ミックスジュースを大阪名物にして新世界を盛りあげたい」という熱意で四代目が店を継承したことで、今に残る店となった。

創業当時の雰囲気を残した内装
扉をくぐった瞬間に昭和が広がる
香り高い珈琲も同店の看板だ

また、千成屋珈琲は、大阪の「レイコー」ブームの火付け役となったアイスコーヒーをはじめ、喫茶文化を牽引してきた存在である。美しいフルーツの断面が魅力の「ミックスフルーツサンドウィッチ」、王道の「昔ながらのオムライス」、鉄板で熱々を提供する「焼きナポリタン」など、昭和の喫茶店が持つ味わい深いメニューにもそそられる。店内は喫茶店創業当時のままの雰囲気を極力残した昭和の趣が漂う。伝統への敬意と未来への挑戦を体現する場所として、千成屋珈琲は今なお活気づいている。

※これは2025年12月現在の情報です。(M. Y)

住所:大阪市浪速区恵美須東3-4-15
アクセス:大阪メトロ御堂筋線・大阪メトロ堺筋線動物園前駅から徒歩約5分、JR大阪環状線・南海本線・南海高野線新今宮駅から徒歩約7分
https://www.sennariya-coffee.jp/

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