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小説の主人公のようにめぐる 難波界隈文学あるき

夫婦善哉 大阪を代表する小説『夫婦善哉』の舞台となった甘味処

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夫婦善哉 大阪を代表する小説『夫婦善哉』の舞台となった甘味処

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作家・織田作之助の代表作『夫婦善哉』のタイトルは、法善寺横丁に今もあるぜんざい屋さんの店名やねん。売れっ子芸者でしっかり者の蝶子と卸問屋の跡取り息子で妻子持ちの柳吉。二人は難波界隈のくいもん屋めぐりをしながら、深い仲になっていくんや。そしてお決まりの駆け落ち、勘当、苦労と続くんやけど、そこかしこに大阪らしい笑いがあるねん。映画にもなったラストシーンでは、柳吉が蝶子を「どや、なんぞ、う、う、うまいもん食いに行こか」と夫婦善哉に誘う。

小説には「めおとぜんざい」と書いた赤い大提灯がぶら下がってて、「しみじじと夫婦で行く店らしかった」と描かれているけれども、今も雰囲気はそのままや。引き戸を引いて店内に入り、ぜんざいを一人前、注文すると、夫婦(めおと)椀と呼ぶのにふさわしく一人に二杯の椀が並ぶ。そのスタイルは小説の書かれた時代と変わりなく、最初はびっくりするんやけど、食べてみると案外一椀の量が少ないから女性でも安心して頼んで大丈夫やで。

店内には映画になった『夫婦善哉』の写真や資料が壁一面に飾られている。1955年に最初に映画化された当時のパンフレットや写真、出演者の直筆から、今世紀に入ってから製作されたドラマのポスターまで、壁面を見れば一覧することができるんや。原作の小説『夫婦善哉』のラストで語られる蝶子の名台詞「一人より女夫(めおと)の方が良(え)えいうことでっしゃろ」も額縁に入れられて、ここでしか味わえない雰囲気を醸し出してる。お店を出たすぐ右手にいらっしゃる沓掛不動尊にお参りして帰れば、夫婦円満、良縁にも恵まれそうやね。

※これは2023年8月現在の情報です。

住所:大阪市中央区難波1-2-10
アクセス:大阪メトロ御堂筋線なんば駅から徒歩4分
https://sato-res.com/meotozenzai/

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