大阪・十三の商店街に店を構える永楽堂は、昔ながらの町の和菓子屋の空気を今に残す、どこかほっとする一軒。長年にわたり十三の住民の日常のおやつや手土産を支えてきた存在だ。店構えは華やかさよりも親しみやすさが前面に出ており、ガラスケースに並ぶ菓子の姿や、どこか懐かしい看板の雰囲気から、地域密着型の和菓子店であることが伝わってくる。

この店の大きな魅力は、店頭に立つ優しそうなおばあちゃんの存在である。気取らない接客と温かなやり取りが印象に残り、初めて訪れてもどこか常連になったような安心感を覚える。こうした人の温もりも、永楽堂という店の価値の一部だと言える。

和菓子屋でありながら、意外にも人気商品は、しっかりとした卵のコクが感じられる焼きプリン。表面のほろ苦いカラメルと素朴な甘さのプリン生地のバランスがよく、どこか家庭的で飽きのこない味わいだ。季節ごとに並ぶ銘菓も見逃せない。春の和菓子、夏の涼菓、秋冬の上生菓子など、その時期ならではの品が小さなケースに丁寧に並ぶ。名物の大粒栗が現在休止中となっているのは残念だ。

派手な有名店ではないが、永楽堂には町の和菓子屋として長く愛されてきた理由が確かにある。十三の街を歩くとき、少し足を止めて立ち寄れば、昔ながらの大阪の甘味文化と人の温かさを、やさしく感じ取れる店なのである。※2026年1月時点の情報です。(かの)

住所:大阪市淀川区十三本町1-7-28
アクセス:阪急電鉄「十三」駅から徒歩約3分

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