美と技を愛でるレトロ建築

浪花組本社ビル 20世紀日本を代表する建築家・村野藤吾設計、大阪市の「生きた建築ミュージアム・大阪セレクション」に選定

美と技を愛でるレトロ建築

浪花組本社ビル 20世紀日本を代表する建築家・村野藤吾設計、大阪市の「生きた建築ミュージアム・大阪セレクション」に選定

浪花組本社ビルは、大阪・東心斎橋の街角に建つ、左官業を本業とする浪花組の本社ビルとして1964年(昭和39年)に竣工した建築物である。設計は20世紀日本を代表する建築家・村野藤吾(村野・森建築事務所)。鉄骨鉄筋コンクリート造、地下1階・地上5階建てのオフィスビルであるが、その外観は周辺の雑多な繁華街の中で一際強い個性を放ち、ミナミの街並みにおけるランドマーク的存在となっている。

外観で特に目を引くのは、表情豊かで立体的なファサードだ。建物正面は八角形や箱形の張り出し(バルコニー・ベイ)を反復させたリズミカルな構成になっており、それぞれの面には瓦やタイルに似たパターンが貼られているように見える。これにより平面的なオフィスビルにはない彫りの深い陰影と豊かなテクスチャ(質感)が生まれ、近接して見ると“モルタルや左官仕上げの手仕事”が随所に確認できる。村野藤吾デザインの建築にしばしば見られる「意匠の反復」と「職人の技」を強調したデザインが、この建物では端的に表れている。

大阪市の「生きた建築ミュージアム・大阪セレクション」に選定され、市民や建築愛好家にとって身近な“生きた建築”として受け止められている。

浪花組本社ビル
住所:大阪府大阪市中央区東心斎橋2-3-27
アクセス:地下鉄堺筋線長堀橋駅から約600m
https://naniwagumi.co.jp/

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