大阪・梅田の南側で1952年(昭和27年)の創業以来、食通たちの胃袋を掴んで離さないのが「焼賣太樓(しゅまいたろう)」である。焼賣太樓は、戦後間もない時期に産声を上げた。当時はまだ珍しかった本格的な大衆中華を、活気あふれる大阪の街に提供し始めたのがその興りである。


高度経済成長期からバブル期、そして現代へと至る激動の時代、北新地の社交場で遊ぶ人々や、そこで働くプロフェッショナルたちが「最後の一軒」として、あるいは「馴染みの味」として通い続けてきた。現在は桜橋店を中心に、老舗の味を守りながらも、現代のニーズに合わせた活気ある店作りを続けている。

この店の看板である「特製焼売」は、神の手ともいわれる熟練の職人が包み込む。皮が極めて薄く、中の餡が透けて見えるほどだ。一口噛めば、厳選された豚肉の旨みと玉ねぎの甘みが口いっぱいに広がる。そのまま食べても十分に旨いが、添えられた洋がらしと特製の醤油ダレをつけることで、肉の脂の甘みがより一層引き立ち、白米やビールとの相性が最高潮に達する。


焼賣太樓のランチタイムは周辺のビジネスパーソンで溢れかえる。その多くの目当てが、圧倒的な支持を誇る「中華ランチ」である。強火の火力で一気に仕上げるチャーハンは、米一粒一粒が油を纏い、パラパラと解ける絶妙な食感だ。具材はシンプルながらも、長年培われた「中華の基本」が凝縮されている。ボリューム、味、そして提供スピード。そのすべてが、忙しい大阪のビジネスマンを満足させる完成度を誇っている。

焼賣太樓は、大阪の芸人さんにも人気のお店で、在阪メディアへの露出も多く、ダウンタウンの松本人志さんも大阪時代にテレビで紹介していた。2020年代に入り、レトロな大衆酒場や町中華が再評価される中で、同店は「昭和の熱気」と「洗練された中華の技」を同時に体験できる稀な場所として、若い世代からも注目を集めている。※これは2026年1月現在の情報です。(かの)
- 住所:大阪市北区梅田2-1-16
- アクセス:OsakaMetro四つ橋線「西梅田」駅から徒歩約2分




































