職種の垣根を越えて、先祖代々同じ商売を守り継ぐ「大阪老舗」

かに道楽道頓堀本店 大阪の「かに文化」を創った道頓堀のシンボル

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職種の垣根を越えて、先祖代々同じ商売を守り継ぐ「大阪老舗」

かに道楽道頓堀本店 大阪の「かに文化」を創った道頓堀のシンボル

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大阪・道頓堀の象徴として巨大な動くカニ看板を掲げる「かに道楽」は、実は大阪発祥ではない。1960年(昭和35年)に、創業店舗となる山陰の魚介料理店「千石船」を開業したが、一年以上鳴かず飛ばずの状態に…。悩んだ末に日本海のカニを使った鍋料理「かにすき」を考案。大阪名物「うどんすき」に倣ったこの新メニューは大ヒットし、冷凍保存と独自流通により一年を通じて新鮮なカニを提供する体制を築いた。

1962年当時の道頓堀の様子/プレスリリースより

1962年(昭和37年)に道頓堀本店「かに道楽」を開業し、巨大な動くカニの看板を設置。白地に赤いカニが日の丸を想起させ、まだ日本が終戦から復興を目指している時期でもあったため、全国に活気をもたらした。現在の看板は1996年設置の三代目で、横約8メートル、縦約3.6メートルの迫力を誇る。店名には「カニで儲けさせてもらったから、カニで思い切り道楽を」という覚悟が込められ、1968年(昭和43年)から放映されたキダ・タロー作曲のCM「とれとれぴちぴちカニ料理」も全国に名を広めた。

現在も、看板料理の「かにすき」をはじめ、刺身、焼きがになど多彩なメニューを提供し、創業時の熱意と職人の技を守り続けている。日本海の恵みと大阪商人の挑戦が融合した「かに道楽」は、今もなお道頓堀を象徴する味と風景である。

※定休:12月31日大晦日(年末年始の営業時間・ランチメニューの有無はお問い合わせくださいませ)
※これは2025年9月現在の情報です。(M. M)

住所:大阪市中央区道頓堀1-6-18
アクセス:大阪メトロ御堂筋線なんば駅から徒歩約3~5分
https://douraku.co.jp/kansai/honten/

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